不正競争防止法の目的は、事業者間の公正な競争を維持すること。
実際に詳細を見ていくと、不正行為に該当するのは、一般的に想定されるものよりも行為が広いことに気づかされます。具体的には、「商品・営業主体混同惹起(じゃっき)行為」などがそれに該当します。
どれも単語は難解そうですが、実際にはすぐ腹落ちするものばかり。さっそく詳細を確認していきましょう。
不正競争防止法の主な規制対象
義務事項・制限事項 | 例 |
① 商品・営業主体混同惹起(じゃっき)行為 | ある程度認知されている他の商品等を、自分の商品と混同を生じさせる(誤解を招かせる)こと
※①②とも、商標権の設定登録状況を問わない |
② 著名表示使用行為 | ブランド品など、著名な他の商品等を取り扱うこと
※①より認知されている商品等の場合。 →混同要件なし、扱った時点でアウト |
③ 商品形態模倣行為 | デッドコピー(偽造品)の取扱い |
④ 営業秘密に係る不正競争行為 | 営業秘密(下記を充たすことが条件)の不正取得・不正利用など
(1)秘密管理性 : 秘密として管理されていること (2)有用性 : 事業活動に有用な情報であること (3)非公知性 : 公然と知られていないこと |
⑤ 技術的制限手段の無効化行為 | コピーガードの無効化など |
⑥ その他 | ・ドメイン名の不正取得・使用
・原産地等誤認惹起行為(≒産地偽装) ・営業誹謗行為(≒風評被害) |
不正競争防止法の損害賠償
損害賠償が発生するケースとその金額は以下の通りです。
① 条件 | 他者の利益を侵害した者に、故意または過失があった場合
(=善意無過失の場合は損害賠償不要) |
② 損害賠償の金額 | 不正競争により、他者の利益を侵害した者が得た利益の金額と同額 とみなす |
③ 立証方法 | インカメラ手続きを認める
→無罪の場合、不当に被告の情報を開示させることになってしまうため。 裁判官のみが対象書類を精査し、判決を下す方法が認められている |