民事訴訟が「訴えに対して、裁判所が判決を下すプロセス」であるのに対し、民事執行は「債権者が勝訴したのち、取立請求を行うプロセス」です。ここでは民事執行法が定める民事執行のルールについて確認していきます。
民事執行の要件と債務名義とは
①必要な書類 | [原則]強制執行:執行力のある(=執行文付の)債務名義が必要 ・債務名義:権利の存在と範囲を示した公的文書(≒借金の証明) ・執行文:「今」債権者に権利があることを示すもの [例外1]競売:債務名義不要(債権者に担保権があるため) [例外2]少額訴訟:執行文不要(迅速な処理のため) |
②債務名義の種類 | (1)確定判決 (2)仮執行宣言付判決 (3)仮執行宣言付支払督促 (4)執行証書(=貸金業法上の特定公正証書) ・「弁済しなかったとき強制執行すること」の事前合意書。公証人役場で作成 ・土地の引き渡しなどには不可 (5)その他、確定判決と同一の効力を有するもの |
③執行文の付与 | ・執行証書:公証人 ・執行証書以外:裁判所書記官 |