会社の経営を実際に担当する、取締役・そして取締役会。ここはビジ法2級の頻出ポイントであるだけでなく、実務においても重要な論点となりますので、正しく理解しておきましょう。
取締役
原則 | 例外 | ||
①選任方法 | 株主総会 | ― | |
②人数 | 1人以上 | 取締役会設置会社:3人以上 | |
③複数設置時 | 過半数で業務を決定 | 定款で変更可能 | |
④会社の代表 | 各取締役 | 代表取締役(設置時) |
取締役の義務/責任
(1)協業避止義務 | 自己or第三者のための取引:株主総会決議要 ・未承認時:取引自体は有効・違反時は刑事罰(特別背任罪) |
取締役会設置会社:総会不要 [事前]取締役会決議 [事後]取締役会報告 (会社→取締役への損害賠償請求要否を判断するため) |
(2)利益相反 | 取締役が利益を受ける取引:株主総会決議要 ・未承認時:取引無効。 ・ただし善意の第三者には対抗不可 |
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(3)任務懈怠責任 | 取締役が法令違反等を行った場合: ・会社に対する損害賠償責任あり(過失責任) |
責任免除可能 (1)善意無過失時の一部免除 →総会(特別決議)or定款に 基づく取締役の過半数合意 (2)それ以外の場合 →総株主の合意が必要 |
取締役の種類
(1)社外取締役 | ※10年以上、当該会社の役員等でない者 | 親会社等が自然人の場合は、 その親族もNG |
(2)特別取締役 | 以下条件を満たす場合設置可能。 取締役会決議事項の一部を委任できる ・指名委員会等設置会社でない ・取締役が6人以上 ・社外取締役が1人以上 |
重要な財産の処分・譲受け・多額の借財について決定権を持つ |
(3)代表取締役 | ・対外的に会社を代表する機関 ・原則は、取締役会にて選任 ・複数設置時も、各自の行為が会社に帰属 ※定款等で制限時も、善意の第三者に対抗不可 |
取締役会不設置会社のみ、 株主総会or互選で選任 |
(4)表見 代表取締役 |
・第三者から見ると会社の代表と見える者 →会社の代表とみなす(社長、専務等) |
会社は善意の第三者に対して のみ責任を負う |
取締役会
原則 | 例外 | |
①設置 | 任意 | 以下は取締役会設置が必須 ・公開会社 ・監査役会設置会社 ・監査等委員会設置会社 ・指名委員会等設置会社 |
②決議事項 | ・業務執行に係る重要事項 (1)重要な財産の処分・譲受け (2)多額の借財 (3)支配人・重要な使用人の選任/解任 (4)その他(重要な組織等) ・取締役/代表取締役への委任不可 |
TO:特別取締役…以下を委任可能 (1)重要な財産の処分・譲受け (2)多額の借財 |
③招集 | 取締役会の日の1週間前までに 書面にて通知 |
・定款で短縮可能 ・取締役・監査役全員の合意があれば、招集手続不要 |
④決議方法 | 出席:取締役の過半数 決議:出席取締役の過半数 |
定款で加重可能(軽減不可) |
⑤議事録 | 出席取締役・監査役全員の署名が必要 10年間本店に備え置くことが必要 |
異議をとどめない取締役は賛成とみなす |
⑥報告の 省略 |
役員等が、取締役全員に 報告事項を通知した場合 →取締役会への報告不要 |
代表取締役・業務執行取締役の職務執行状況 →3カ月に1回以上の報告が必要 |